食べやすい給食を目指して

当校は50名以上の児童生徒が在籍して学校生活を送っています。毎日の食事は、児童生徒の健全な発育にとって非常に重要な役割を果たしています。当校でも食育の観点から、毎日の給食は自食へ向けた大切な学習の場であり、また、楽しい食事はコミュニケーションを伸ばす場でもあり、そして何よりも大切な命を育む場であると位置づけて家庭とも連携しながら、日々の摂食指導に取り組んでいます。

1当校の給食形態

当校の給食の形態は、普通食、普通食刻み、やわらか食、ミキサー食となっています。その他に、おかゆ、軟飯、煮麺などがあります。

形態 目的・必要性 食べ物の状態
普通食 奥歯で噛んで食べられる固さの物を提供。
きざみ食 噛み切ることを補い、食べやすくする。 包丁や調理バサミでその児童生徒にあった大きさに刻む。固い物を刻んでも適当な粘り気がないと口の中でばらばらになり、かえって危険なことがある。そのため、水分ととろみ剤を加えて口の中でうまくまとまりを作るようにする。りんごなど刻んでも食べにくい食材は、すりおろす。
やわらか食 普通食では、噛み切ったり、噛み砕いたりできないため、食材を柔らかくし、食べやすくする。 長時間煮たり、レンジにかけたりして普通食より柔らかくする。焼魚など刻んでも繊維の多い食材は煮魚や魚ムース等を使用。舌で押しつぶせる固さ。
ミキサー食 食べ物を取り込み、飲み込み、食道に送る一連の動きを身につけさせる。 ミキサー(ミルサー)やフードプロセッサーで細かく刻む。とろみ剤でとろみをつける。(例:ヨーグルト状)

2やわらか食の実際の様子

主食について

当校では、主食のご飯、麺類に対して、おかゆ、軟飯、煮麺を提供しています。おかゆ、軟飯に関しては、家庭用電気炊飯器を使い、安定した質のものを提供できるようにしています。
パン食のときは、食パン(耳は取ります)を提供します。菓子パンやあげパンのときは、チョコソースや砂糖をまぶしたきな粉などが付きます。

おかゆ 軟飯 煮麺
児童生徒によって、おかゆをミキサーにかけて提供することもあります。 普通のごはんではぱさつき感があって食べにくい、おかゆでは柔らかすぎるという児童生徒のため、あるいは、おかゆから普通のご飯での移行食として利用しています。 煮麺が適用されるのは、ラーメン、うどん、パスタ、焼きそば、冷や麦等のメニューの日になります。普通食のメニューと同じ麺を長時間茹でて柔らかくします。

主菜・副菜について

やわらか食では、天ぷらや唐揚げなどの代替食品として、柔らかい食品を提供しています。代替できないものは、児童生徒の実態に合った大きさの刻み食にして提供します。以下はやわらか食の一例です。

普通食  やわらか食 
 野菜やイカの天ぷら  柔らかいイカボールや野菜の煮物
 海老フライ  エビボール
 春巻き  豚じゃが炒め
 ジャーマンポテト  ポテトと具を分けて提供
 大学芋  さつまいも甘煮
 焼き魚  煮魚(あんや、マヨネーズソースなども付きます。)
魚ムースのときもあります。
 焼き餃子や揚げ餃子  水餃子
 鶏の唐揚げ  鶏ボール煮
 グラタン  クリーム煮(チーズ抜きで焼かない。)
 メンチカツ  煮メンチ
 魚フライ  魚ムース
 オムレツ、卵焼き  やわらか卵
 茶碗蒸し  具無し茶碗蒸し
 リンゴ  リンゴのコンポート

味噌汁の具や煮物などは、煮野菜が多く繊維質で刻みにくいのですが、調理員が事前に、長時間煮た具材と汁物に分け、刻み残しがないようにしています。たけのこなど、刻んでも硬い食材は、さらに具材から取り分けた状態で、提供しています。